コケムスシェルター

著作権侵害についてQ&A

タイトル:著作権のことならこの1冊 (はじめの一歩)

著者:

出版社:自由国民社

発行日:2015-08-02

震えて眠る。

著作権侵害について気になることを調べたのでメモ。
というのも最近、DeNAが運営するキュレーションサイトの炎上を受けてかメディアが行う写真や文章の無断転載に対する風当たりが強い。これまで泣き寝入りしていた著作権者にとっては、自己のコンテンツを守る追い風となっている。
この風潮を受け、大手メディアはもちろん、個人ブロガーやアフィリエイターなどもこれまで通りのルーズなサイト運営では炎上しかねない事態に追い込まれている。

Q&A方式にて取り留めなく。

基本Q&A

写真の無断使用に対して、使用の停止と使用料請求(10万円)の警告書が届いた。
相手の要求に応じなければならないか?
使用の停止、使用料請求に応じなければならない。
※使用料の金額については交渉の余地がある。
【権利の侵害】
著作権のある著作物を著作権者の許諾を得ないで無断で利用すれば、著作権侵害となる。

【民事上の請求】
権利侵害の事実があるときは、著作権の権利者は侵害をした者に対し「侵害行為の差止請求」「損害賠償の請求」等を行うことができる。

【損害賠償(使用料)の金額算定方法】
著作権侵害の損害額については法律が算定規定を設けており(著作権法第114条)、著作権者から侵害者に対する損害賠償請求を容易にしている。

算定規定その①(著作権法第114条第1項による救済)
「損害額」=「侵害者の譲渡等数量」×「権利者の単位あたりの利益」(ここまでの計算結果が著作権者の販売等を行う能力に応じた額を超えない限度)−「権利者が販売等を行えない事情に応じた金額」

算定規定その②(著作権法第114条第2項による救済)
「損害額」=「侵害者が得た利益」

上記算定以上の金額を請求をされた場合であれば、減額交渉の余地がある。
※基本的な考え方は「無断駐車したら罰金10万円請求された」の問題と同じ。

参考リンク:著作物を無断で使うと?【CRIC】
参考リンク:著作権侵害への救済手続【経済産業省】
参考リンク:「無断駐車したら罰金10万円」の看板――要求どおり「全額」払わないといけないの?【弁護士ドットコム】

著作権侵害の警告が来た場合は、使用の停止や使用料請求に応じなければならない。ただし例外的に侵害にならない場合も存在する。

侵害にならない場合

漫画のレビューサイトを運営。作品を紹介するために漫画の数コマを無断で使用した。
著作権侵害に該当するか?
法律上の引用に該当し、著作権侵害にはならない。
【引用とは】
公正な慣行に合致すること,引用の目的上,正当な範囲内で行われることを条件とし,自分の著作物に他人の著作物を引用して利用することができる。(著作権法第32条)

「引用」は他人の著作物を許可なく使用できる唯一の方法。ただし無断使用できる規定だけあって、要件はそこそこ厳しい。
少なくとも権利者から警告が来るような使用方法は引用には該当しない。

ツイッターで他人の発言を自分の発言として投稿した(パクツイ)。
著作権侵害に該当するか?
ツイッターで投稿される[短い文章]かつ[ありふれた日常会話]であれば、著作権侵害にはならない。
創作性の低い文章は著作物として保護されない。
著作物であるか否か(創作性の有無)は裁判でも争うことが多く判断は難しい。
子供の落書き、俳句(5・7・5)でも著作権が認められる一方、プロの撮影した風景写真や新聞の見出しに著作権が認められないことがある。

参考リンク:他人のつぶやきを盗んでツイートする「パクツイ」 弁護士が「著作権法違反」と警告【弁護士ドットコム】
参考リンク:画像の無断使用は悪?過去の著作権裁判で訴えられた人の末路【副業チャレンジ】

ブログのコメント欄に匿名で画像の削除依頼の書き込みがあった。
要求に従う必要があるか?
著作権は財産権の一種であり、財産の処分する権利を持つのは著作権者本人、または利用許諾を得た者だけである。
権利者本人であると確認できない場合は画像を削除する必要はない。
※権利侵害の事実がある場合は匿名でも対応するほうが無難。

上記で紹介したように
・侵害行為に該当しない場合(引用等)
・使用したコンテンツが著作物でない場合
・相手が著作権者でない場合
は著作権の侵害には当たらない。逆に連絡してきた相手を脅迫や名誉棄損で訴え返すことが可能。

その他のQ&A

匿名でサイト運営。
個人を特定されないから警告は無視して大丈夫か?
完全に匿名での運営は不可能。
プロバイダ(ISPやサーバー管理会社等)から個人を特定される。
【プロバイダ責任法とは】
インターネットでプライバシーや著作権の侵害があったときに、被害者は損害賠償請求権の行使に情報発信者の氏名や住所などが必要である場合など、正当な理由がある場合には、情報開示をプロバイダに対して求めることができる。
ここで定義されている「特定電気通信役務提供者」とは、いわゆるプロバイダ(ISP)だけでなく、掲示板を設置するWebサイトの運営者なども含まれる。
刑事罰を受ける可能性もある?
著作権侵害は犯罪であり、被害者である著作権者が告訴することで侵害者を処罰することができる(親告罪)。
著作権、出版権、著作隣接権の侵害は、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金、著作者人格権、実演家人格権の侵害などは、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金。

積極的であれ消極的であれ、現代のネット社会にかかわる以上著作権侵害は避けられない。匿名で無法地帯な時代は終焉を迎えつつある。

とはいえネットの法規制は難しく、未だ健全化されたとは言い難い。
逆方面からもアプローチしてみる。

著作権侵害をされたとき

自分で制作販売中の同人誌が他のサイトで公開されている。
使用の停止と使用料請求をしたいがどうすればよいか
【使用の停止】
難易度1/効果1:直接連絡
難易度2/効果3:プロバイダへ通報
難易度5/効果5:民事訴訟
【使用料請求】
難易度1/効果1:直接連絡
難易度5/効果5:民事訴訟
直接連絡は効果はあまり期待できないが手軽な手段。ただし脅迫にならないように文面には注意が必要。

使用の停止を求める場合はプロバイダへの通報が手軽かつ効果的。侵害者がブログサービスやドメイン・レンタルサーバーを利用している場合は、権利侵害の窓口へ申し立てる。プロバイダが侵害者へ連絡、該当箇所の削除、悪質な場合はアカウントの凍結等を行う。

民事訴訟は少し難易度が高い。
権利侵害者の特定がネック。侵害者がDeNAやリクルートなどの企業であれば問題ないが、個人サイト、Twitterの投稿や、2ちゃんねるへの書き込み等の場合は権利侵害者の特定が困難な場合が多い。

参考リンク:悪質なウェブサイトに関して【GMOペパボ株式会社】
参考リンク:写真を無断使用されたので、使用料金をご請求した件【旅するフォトグラファー有賀正博】

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