音楽教室から著作権料徴収へJASRAC方針

タイトル:JASRAC概論―音楽著作権の法と管理

著者:

出版社:日本評論社

発行日:2009-11

音楽教室から著作権料徴収へJASRAC方針、反発も
ヤマハや河合楽器製作所などが手がける音楽教室での演奏について、日本音楽著作権協会(JASRAC)は、著作権料を徴収する方針を固めた。徴収額は年間10億~20億円と推計。教室側は反発しており、文化庁長官による裁定やJASRACによる訴訟にもつれ込む可能性もある。
 著作権法は、公衆に聞かせることを目的に楽曲を演奏したり歌ったりする「演奏権」を、作曲家や作詞家が専有すると定める。この規定を根拠に、JASRACは、コンサートや演奏会のほか、カラオケでの歌唱に対しても著作権料を徴収してきた。
http://www.asahi.com/articles/ASK213QYXK21UCVL00P.html

ジャスラックが音楽教室からも著作権料を徴収するというニュースに関して、外部理事の玉井克哉教授のコメントが面白い↓
JASRACの外部理事を務める東大・玉井克哉教授(知的財産法)による大手音楽教室から著作権料徴収についてのQ&A(https://togetter.com/li/1077579)
一般にニュースに対する反応は突然ジャスラックが無茶苦茶なことを言い出したみたいな感じだけど、その実は長年無断使用(権利侵害)を続けてきた音楽教室にジャスラックが遂にしびれを切らした。「ヤマハ音楽教室」VS「JASRAC」な構図だったらしい。
というか一般コメントから溢れるジャスラックに対するヘイトがすごい。なぜこんなに嫌われているのか。
まぁジャスラックよりも著作権の制度自体に文句付けてる場合も多いし、そもそもの著作権に対する誤解も多い。著作権は支分権だって辺りとか。

まぁともかく一般人には全く関わりのない話だし、外野がうるさい。
宇多田ヒカルも巻き込まれてかわいそう。

宇多田ヒカル、JASRAC方針に反応「著作権料気にしないで無料で使って欲しい」
 歌手の宇多田ヒカル(33)が4日、自身のツイッターを更新し、日本音楽著作権協会(JASRAC)の音楽教室に対する使用料請求問題について言及。自身の曲については「著作権料なんか気にしないで無料で使って欲しいな」と私見を示した。
 JASRACがヤマハや河合楽器製作所などが手がける音楽教室での演奏について、著作権を求める方針を明らかに。これに対し、音楽教育事業7団体は3日に徴収に反対する連絡会「音楽教育を守る会」を設立、JASRACと争う姿勢を示している。
 一連の流れに宇多田が反応。この日のツイッターで「もし学校の授業で私の曲を使いたいっていう先生や生徒がいたら、著作権料なんか気にしないで無料で使って欲しいな」とつぶやき、JASRACの方針とは異なる、自身の考えを示した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170204-00000114-spnannex-ent

ニュースも煽りすぎ。上記に至っては誤報レベル。
まぁ”音楽教室”も”学校”なのだけど、今回の話は教育機関の”学校”ではなくて、子供の習い事とかプロ養成訓練の”学校”が対象。
誤解を狙いすぎ。”女子高生”と”女子校生”くらい違うだろうに。
そもそも「音楽教室は反発している」と記事にあるが、著作権のないものを使用すれば(練習題材を自分で作成するとか権利の切れたクラシック音楽を使用する)使用料も払わないで済む話なのだし、他人の著作物を金も払わずに無断使用している音楽教室が異常。
まぁでも、もっと大きい話で、カラオケや音楽教室でそもそも著作権の使用料を徴収するのが誤りだっていうのであれば、ジャスラックではなく国会議員に文句を言うべきであろう。法改正しろと。
もちろん「文化の振興VS権利者の利益」のバランスは法律だけでなく権利者(ジャスラック)が担う部分も大きい。
それこそ音楽教室への著作権徴収が不要というのであれば、宇多田ヒカル(著作権者)が無償使用許諾すればいいだけ。宇多田ヒカルもまたジャスラックなのだから。
しかしジャスラックが無用に叩かれていたのでつらつら味方してみたけど、冷静に思い直すとやはりがめついな。別に稼ぐ必要のない組織なのに仕事熱心すぎるだろう。「取れるところからはすべて取る」みたいな精神。
あと玉井教授は大体理屈の通ったことを言っているけど「零細音楽教室からは徴収しない」の発言だけは嘘。大手であろうと零細であろうと将来徴収対象になるのは間違いない。

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