魚の日々

タイトル:滑川だより―ホタルイカの町

著者:島崎 泰弘

出版社:桂書房

発行日:2012-01-01

ほたるいか
富山湾のホタルイカは普段、水深約200~600mの深海に生息し、毎年3月から6月上旬にかけて、夜になると産卵のため海岸近くまで大群となって押し寄せてきます。日本近海で海岸近くまで大群をなして集まるのは富山湾だけであり、富山市常願寺川河口から魚津港までの沖合1.3kmまでの海面は、「ホタルイカ群遊海面」として国の特別天然記念物に指定されています。
白えび
富山湾の主に水深300~600mにすむシロエビ。漁業が成立するほど大量に獲れるのは、世界でも富山湾だけ。庄川・神通川・常願寺川沖に形成される、富山湾特有の海底谷「あいがめ(藍瓶)」がその漁場です。体長6cmほどの極小粒のエビで、別名「シラエビ」「ヒラタエビ」「ベッコウエビ」とも呼ばれています。生きているものは透明感のある淡いピンク色をしており、それが「富山湾の宝石」と称される所以です。
バイ貝
富山湾で漁獲されるバイ貝には、オオエッチュウバイ、ツバイ、カゴバイ、ボラモドキなどがあります。中でも水深約350~1550mの深海に生息するオオエッチュウバイは、その名の通り、殻が約15cmにもなる大型の貝。刺身にすると、シコシコとした歯ごたえが楽しめ、磯の香りが漂う肝も美味です。小ぶりのバイ貝は、煮付け、酒蒸しなどにして美味しく食べられます。
のどぐろ
のどぐろは正式名称はあかむつですが、富山では口の中が黒いため「のどぐろ」と呼ばれる幻の高級魚です。
白身魚にしては脂の乗りが非常に良く、白身魚のトロとも言われるほどで、柔らかな白身で癖のない甘みが絶妙です。
カマス
富山湾での最漁期は9月~11月。体長25~35cmほどのものが多く、通称アブラカマスと呼ばれ定置網や刺網で漁獲。開き干し、塩焼き、煮付けもうまい。
フクラギ(イナダ)
富山県民がこよなく愛す日常魚。漢字で書くと「福来魚」。福が来る魚、実に縁起がよろしい名前で、思わず笑顔になってしまう味わいは、まさに「福」そのもの。
出世魚であるブリの子供、コズクラ→フクラギ→ガンド→ブリ。

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