人間はみんな自分を主人公とする物語を生きており、だれにとっても自分は特別なのだ。根拠無く「自分は大丈夫」と思ったり、「なんとかなるさ」と楽観したりする。行き過ぎると周りから疎まれ、行かな過ぎると鬱になる。そんな「自分大好き」という感情との付き合い方の本。
最近は自己愛の強い人が増えているんだとか。
自己愛の強い人の特徴は、「その気になればなんでもできるという、根拠のない自信」、「他人への配慮の欠けた、自己中心的な性格」「能力のない自分・平凡な自分・敗者である自分が受け入れられない、逃避癖」など。
その原因は、現代社会が人間に与える万能感。
スライムを倒せば倒すだけレベルアップするゲーム、ちょっとした言動で称賛を得られるネット、子供を褒め称える親、とかが与える万能感のせいで自己愛を肥大化させてしまう人が増えているらしい。
過剰なナルシストはうざいけど、能力がないのに威張られても迷惑だけど、悪いとも言い切れない。
褒めて伸びる子供もいるし、本当に有能な人間には自信でも自己愛でも好きなだけ持って頑張って欲しい。
良いも悪いも、結局は結果次第だろう。
成功も失敗も経験していない人間は、そこそこの自己愛を持って物事に挑戦して、
成功した人間は、尊大で傲慢になれば良いし、
失敗した時には、自己愛をすて、惨めに生きていく潔さが大事。
▼ ここから小さな話
起業するとかしないとか言うレベルの話では自己愛(自信)はプラスに働くことも多かろう。
しかし、凡人の日常生活では、自己愛などは何の役にも立たない。迷惑でしかない。
本によると「利己的帰属(成果は自分のおかげ、失敗は他人のせいにする)」や「他者への甘え」が強いとか。
まぁ自分のことですが。
と言いつつ、人から「そんなことないよ」という答えを期待するのが自己愛の強い人間の典型なんだと。
虚勢を張ってしまうのも典型だが、言葉では卑下しつつも言葉とは逆の自己認識をしていたりすることも、自己愛のせいだとか。
軽んじられるのを恐れ、特別扱いを望んでしまう。
全体的に全部自己愛のせいにされてて、どうなの?って感じもするけど、自分の行動や、友達を思い浮かべながら読むと、面白い本。
コンサルタントの書いた本。駄本。
薄く広くIT化からIP化まで、もっと具体的なこと書けよ。
中小企業のおじいちゃんならこういう話も好きなのかもしれないけど。
マーケティングの本。
広告宣伝の地下世界で何が行われているのかを明かす、ちょっと衝撃的な本。
消費を煽られているのは知っている、悔しいなと思いながらもCMで見た新商品を買ったりもする。
癪に障る。けれどもそれが全て悪であるとは思わない。本人が幸せであれば万事OKだとも思っている。
しかし、この本を読むと少し考えが変わる。
こんなに狡猾だったのかと。
本書では「恐怖を煽る」「ピア・プレッシャー」「権威付け」「中毒」「ノスタルジア」などの広告戦略が紹介されていた。
心当たりが多い。
「恐怖を煽る」ことは、「成功を期待させる」ことよりも効果があるのだとか。
恐怖とは、例えば「くさい息、不安定な経済状態、失業、借金、結婚相手や恋人から捨てられる不安、友だちのいない孤独への不安、性的不能に対する不安、がんへの不安、死への不安、車の運転への不安、テロ、災害、夜の闇、コンピューターウイルス、水道水、カロリー、髪の毛、老い、雑菌、騙されること」などである。
「煽り耐性」が低いと広告から影響を受けやすいだろう。
「水を購入する人」「潔癖症の人」なんかは煽り耐性がない証拠。広告会社の格好のカモ。
「酒」「タバコ」「コーヒー」の嗜好品の類いも煽られている部分も大きいだろう。
本来は必要のないものなのだから。
これからはイナフ民を目指そうと思う。
無駄遣いも楽しいけど、できれば賢い消費者になりたい。
検定試験は受けないけど、図書館で目についてので読んでみた。
人が病むのはズレのせい。
「唯一無二の現実」と、「理想自己(理想の自分)/現実自己(自分から見た自分)」とのズレ。
ズレを自分のせいにしたり、他人のせいにしたり、すると心が歪む。
病まないためには、現実を理想自己に近づけるか、理想自己や現実自己を現実に近づけるか。
なんにせよ、ズレを少なくするのが精神衛生上良い。
あとストレスを回避することも大事。
人によってストレスを感じる事柄が異なる。共通しているのは大切なものの喪失くらい。
自分のストレスについて、ストレスレベルが高いのは、人に嫌われる、びっくりする(音とか)
そこそこのストレスレベルは、嘘をつく(罪悪感)、人に会うとか。
ストレス解消は、寝る、酒、時間・金に余裕を感じる、人に好かれるとか。
人間の欲について、初級から順に、「生理的欲求」→「安全欲求」→「愛情と所属欲求」→「自尊欲求」→「自己実現欲」という段階に分かれているんだとか。
衣食が足りて→生活が安定していると→仲間が欲しくなって→他人から認められたくなって→より一層の存在価値が欲しくなる。らしい。んで、全部満たされると超幸せ。
誰もが抱える弱さは11個に分類される。
「食欲」「強欲(物欲)」「肉欲(性欲)」「怠惰」「傲慢(優越感)」「怒り」「嫉妬」「偽り(嘘)」「不安・恐れ」「後悔」「名誉欲」
弱さはズレを生み、心を蝕む。
この内、自分の弱さはナンバーワンは「不安・恐れ」。次に「怠惰」「嫉妬」「後悔」かな。
「不安・恐れ」これが強すぎる気がする。思い返すと自分の行動の大部分はこれに支配されている気がする。
どんな不安か。人に低い評価をされる不安、社会に出てやっていけるのか不安。
もう少し掘り下げると、大したやつではないがっかりされる不安、平均以下であると見下される不安、必要とされない不安。
そんなマイナスに考えることもないし、気楽に行けば良いし、すくなくともこれまではうまくやってこれた。ポジティブに生きたほうが良いとは知っているけども、どうにもこの不安は取り除けない。
この不安が自分の心を病ませる原因であるかも。注意せねば。
ところで自分は、「人の頼みを断れない」、「人を怒ることができない」
それは、人に嫌われるのが不安だから。だと思う。
人と交流するのが嫌い。極力逃げてきた。
それは、人に面白く無いやつだと、蔑まれるのが不安だったから。だと思う。
酒が好き。酔うと人の嫌がることも言える。多少人を傷つけて嫌われたとしても、「酒のせいでごめんね」と謝れるから。逃げ道があるから。だと思う。
不安なく人としゃべるのは楽しい。
絶対に自分のことを見限ったり、蔑んだりしないとわかっている友達となら、酒がなくても楽しく喋れる。
で、不安を追い払う、解決策はなんだ?
人の評価を気にしなくなれば、良いと思う。しかし無理だ。できない。
「現実を引き上げる」これが王道か、期待に見合う能力を身につける。王道だけど、簡単にできりゃあ苦労ねえよって話だが。
次善策として、「期待させない」っていう手はよく使う。人の評価を下げることが不安だから、それなら元々の評価を低く設定して置けば良い、という発想からの方法。実はこれはかなり良い。気に入っている。
「保険」も有効。酒みたいに他の物のせいに出来る逃げ道があれば、不安が解消される。ただし外部を頼りすぎると心が歪むので要注意。
しかしも、こういう本を読むと安心する。
自分の悩みと言うかもやもやが、よくあるもの、ありふれたものだと感じると気が楽になる。
以上。最近の若者あるあるでした。
ちょっと勉強。
営業活動の補助者(補助商)
商人(企業)が営業規模を拡大していくと、営業主または会社経営者だけでは営業活動のすべてを行うことが不可能になります。
そこで、企業は他人による営業活動の労力の補充を必要とし、それは合理的かつ効率的な企業活動を行うために有益なものとなります。
企業活動の補助者には、特定の商人に従属し、その企業の内部において補助するものである【商業使用人】と、
企業の外部において自らも独立の商人として補助する【代理商】【仲立人】【問屋】【運送取扱人】等があります。
【商業使用人】とは、雇用契約、【その他の者】とは、代理商・仲立・取次契約によって、その関係や具体的に定められています。
代理商
代理商は、締約代理商(委任)と、媒介代理商(準委任)に分けられる。
締約代理商は、本人の代理人として相手側との間で契約を締結する。(例:アパマンショップ)
媒介代理商は、本人と相手側との間で契約成立に至るように各種の仲立・斡旋・勧誘的な事務等を行う。(例:損害保険代理店)
代理商は特定の商人の営業活動を補助する点で仲立人や取次商とは異なる。(代理商は商品の所有権を有しないなど限定的な責任)
代理商の利点
新しい分野に進出する場合に、その分野や、当該地に精通している代理店を通したほうが市場の開拓には効果的な場合が多い(特に海外進出などは代理店が使われることが多い)※失敗した時の損失も少なくて済む。
特約店
代理商に類似するものが、特約店と問屋。
特約店契約とは、商品の生産者などが、特約店に対しての商品の継続的な供給を約し、特約店はこれを事故の計算でほかに販売し、その商品の市場における販売の維持・拡大を図ることを約する契約。このような契約は、基本的には商品の継続的な売買契約と言えます。
もう一つは、販売業者が、商品供給者の委託を受けて、自己の名前でそのものの計算により商品を他に販売し、手数料・報酬を受け取ることを約する契約で、商法上の問屋の当たります。
フランチャイズ
子会社とか下請け的な何か。(例:セブンイレブン)
仲立業
仲立業は本人たちの契約の斡旋を行う仕事。
結婚相談所みたいな感じ。
問屋業(取次商)
問屋業とは、自己のなを持って(権利義務の帰属主体となって)他人のために物品の販売または購入をなすことを引き受けること(取次)を業とする営業を言います。
すなわち、問屋は、自分が契約の当事者となって売買契約を行いますから、その契約から生じる法律効果はすべて問屋に帰属しますが、その売買契約は依頼人の計算でなされるものですからその経済効果は全て依頼人に帰属します。
問屋の典型は、証券会社。
文品の売買以外の行為(主にサービス)の取次を業とする者を準問屋と呼び、旅行会社、金融先物取引業者など。
運送業者も準問屋ですが、例外として、運送取扱人として独立に扱われる。
委託契約。
運送取扱人
佐川急便。
結局
なるほど。分かったようなわからんような。各々の業の位置関係くらいは把握できたかしら。
特約店が意外な立ち位置。名前的にもっと本店とつながりが濃い店かと思ってたけど、継続的な売買関係にある小売店みたいな感じだった。
媒介代理商と仲立業の違いがイマイチ。検索すると、権限的な違いは殆ど無くって、特定の会社との付き合いが深いところが媒介代理商。色んな所と付き合ってるのが仲立業らしい。
締約代理商と問屋業の違いは、所有権が移転するか否か。
テレビCMの話。
製品のプレスリリースとか、性能の紹介とか、の広告以外の話。
企業イメージ、ブランドイメージ、企業認知度を上げる広告とかそのたぐい。
CMで狙うポイントは3種類。「好意」「印象」「内容理解」。
欲張らず絞ると効果的なんだとか。
数々の表現方法の中で、最も手っ取り早く人にインパクトを与える方法は、「性的な描写」にあると言われています。
しかし主婦や家族層向けの商品・サービスの企業はセクシーな広告は逆効果。
パラパラと読んだけど、あんまり興味もないし、内容もないし。って感じの本。
ネットショップで稼ぐための指南書。
心構えから、アクセス解析までを解説。
ネットショップには、利益率が低いという特徴があるらしい。
扱う商品を増やしたり、ページの更新数を増やしたり、しても一定基準に達したあとは、殆ど成長しない。という。
んで、「規模の増強を図ろうとして、従業員を雇ったら失敗」というのがままあるパターンだとか。つまりネットショップは1人か2人くらいでほそぼそとやるのが一番良いって話。
ECに限ったことではないけど、そのサイトで購入する理由を考えることは重要だと思う。
・その商品を購入する理由
・・リアル店舗で購入する理由
・・ネット店舗で購入する理由
・・・そのサイトで購入する理由(個人EC/Amazon/DMM)
店舗選びに関わる要因は、自分の価値基準で考えると、まず「価格」、次に「納期(即欲しいものはリアル店舗で買う)」、「決済方法(振込はめんどくさい)」、「限定商品(そこでしか買えない)」。
他に考えられるのは「安心(信用)」くらいか。
んで、自分のサイトで購入してもらう理由(コアコンピタンス)を作るためには、「ターゲティング」が有効だとか。
「マーケット」>「セグメンテーション」>「ターゲティング」
つまりニッチな需要を狙えって話。
インターネット消費行動モデルの話もなかなかおもしろい。
3タイプ紹介されていて、
注意→興味→欲求→記憶→行動【アイドマ】
注意→興味→検索→行動→共有【アイサス】
注意→興味→検索→比較→検討→行動→共有【アイシーズ】
なるほど確かに、比較検討の機会が多いのがネット消費の特徴かも。
個人的に比較検討しないのは、Amazonで買うときかな。どうせ最安値だろう。みたいな。加えてレビュー高けりゃ完璧、良い物だろうみたいな。
グラフ書ける人になりたいな、天秤とか、ピラミッドとか。
うーん。面白い本だった。
目新しいことはあまり書いてないけど、よく整理してあって分かりやすい。
んで、ネットショップではなく、アフィリエイトの話。
サイドバーで商品を紹介して、買ってもらうにはどうすればよいのか??
刺激的な広告ならば、とりあえず「注意」と「興味」を引くことは出来る。ここは簡単。
で、「行動」につなげるのが困難。
刺激的な広告が仇になっているのかも。期待が高まりすぎて、逆に騙された感を出してしまうのかも。
うーん、考えてもわからん。
広告の本。ブームを起こす方法とか、効果的なメディアの使い方の解説。
最近のブーム成功例では「ハイボール」。火付け役が誰だったかは知らないけど、新聞、テレビで盛り上がって、今やハイボールの置いてない居酒屋はない。「婚活」も広告業界の努力の賜物だってさ。
広告とは何か?
最終目的は利益。んで、利益を出すための働きかけが、広告。
知らない人にはまず存在を知ってもらって、知ってる人には買ってもらう。
昔はテレビで広告を流せば、すべての人に知ってもらえて、ブームが起こって買ってもらえた。
しかし、ネットが普及して、テレビ離れだとか何とか言われ始めて、うまく行かなくなってきた。
んで、ネットを使って効率的に宣伝する方法を考えようって本。
結局のところ昔にしても、今にしても、影響力のあるモノが宣伝するのが一番効率的なんじゃないかな。
ネット上で影響力のあるのは、フォロワーの多い有名人とか、大手まとめサイトとか、だろうな。
特に大手まとめサイトは、昔のテレビに負けないくらいの影響力はあると思う。今も「ネトウヨブーム」とか続いてるし。
個人で目立ちたいなら、この前の「即戦力の大学生」が成功例だろうな。ネットで話題になって、まとめサイトに取り上げられて、有名に。
ただし運だろう。もちろんコンテンツの面白さも必要だろうけど、おもしろことしてる人はもっともっとたくさんいる。
本読んでてやらしいなと思うのは、ブームの継続の方法とか考えてるあたりだろうな。
CMとか広告がブームの火付け役になるのは構わないけど、
新しい情報や刺激を与えてくれるのは歓迎だけど、
いらないものを長々と流されてると、うざい。火がつかなかったら諦めろよ。最近の広告は潔さが欠けてる。
継続的関係(フォロー関係)は消費者からの働きかけがベストだろうな。
広告の方からガツガツと来られると引いてしまう
「フォロー・ミー」ではなく「オベイ・ミー」みたいな感じがして嫌だ。美人なお姉さんなら喜んで従うけども。
あと現代人は「広告スルースキル」が高過ぎるらしい。
というのも無意識的に広告の情報をシャットダウン出来るらしい。言われてみれば確かにネットをしていて広告欄の存在を無視できてる気がするな。
ここは注目すべきポイントだろう。アフィリエイトする場合には無視されない広告位置を考えると良さげ。多分見やすいレイアウトでは広告の注目度は低い。ありがちな2カラムのサイドバー広告なんて無意識中の無意識でスルーされてしまうだろう。
ブランドスイッチを促す。
サイトで言うと、とりあえず来てもらうことがブランド体験である。
ってかこの本の池田って人変なカタカナ語使いすぎ。読みにくい。
バズマーケティング=口コミマーケティング
バイラルマーケティング(viral marketing)
製品やサービスに関する「口コミ」を意図的に広め、低コストで効率的に商品の告知や顧客の獲得を行なうマーケティング手法。「バイラル」は「感染的な」という意味で、商品の情報が人づてに伝わっていく仕組みをウィルスの感染・増殖に例えている。
バイラルマーケティングって初めて聞いたけど面白いな。
アフィリエイトプログラムはこれに分類されるんだろうな、少額のインセンティブで、人に広告してもらう。
自分のためにやってると思っていたら、犯罪の片棒を担がされていた……みたいな。
ペニーオークションもバイラルマーケティング。
あれはだいぶ批判されたけども、一般アフィリエイターもひとごとではないよな。
クリック報酬型の広告貼ったら、怪しげな薬の広告が出ることがあるけど、あれに発ガン性とか見つかったら、ペニーオークションの”犯人”と同じ境遇やろうし。
認識の程度の差はあれども、犯罪の片棒には違いないだろうし。
弁護士「福井健策」さんの著書。日本で一番著作権に詳しい人(だと個人的に思う)。
この人の立ち位置は、「文化の側」。あとがきによると、「もっとおもしろい、豊かな作品を想像し、発掘し、育て、そして多くの人々に届けようとする人々の側に立ち続けたい」と思っているらしい。
この本ではTPPを足がかりに著作権法のあり方、ネットのあり方、を考えている。
まず、TPPと著作権の話。
実は、内部文書が流出して、アメリカの要求内容が明らかになっているらしい。
メリットとデメリットを軽く抜粋する↓
・著作権保護期間の延長
メリット:コンテンツ輸出国にとっては「現在のライセンス収入」が上がり、「将来のビジネスの覇権」を握れる。
デメリット:日本はコンテンツ輸出国ではない(貿易収支は赤字)
・非親告罪化
メリット:海賊版の摘発に期待
デメリット:曖昧な「暗黙の了解」ができなくなる(コミケがなくなる)
・法定賠償金
メリット:訴訟が楽になり、悪質な海賊行為を取り締まれる
デメリット:軽い著作権侵害でも多額の賠償金を求められるかもしれない
・DRMの単純回避規制
メリット:海賊行為の抑制
デメリット:窮屈
・真正商品の並行輸入に広範な禁止権
メリット:日本国内の販売代理店が潤う。
デメリット:ライセンスがないと、海外サイト(米Amazon)から購入できなくなる。
・プロバイダー責任条項
メリット:中国などに法整備を促すことができコンテンツ保護が出来る
デメリット:アメリカのルールに従うことはリスクでコスト
プロバイダーとは、YouTubeなどのプラットフォームのことを指す。YouTubeは違法アップロードについて責任を追うべきなのか?という話。
世界でも訴えられているらしく、アメリカ、ドイツではYouTubeの敗訴。フランス、スペインではYouTubeの勝訴と判断が割れている。
プロバイダーの責任について、米国では「DMCA(デジタルミレニアム著作権法)」、日本には「プロバイダー責任制限法」で定められている。大体一緒で、通報があった時に削除すれば、プロバイダーは責任追わなくて良いよって法令。日本の方が、若干曖昧で、若干プロバイダーに優しいらしい。
で、結局のところ、TPPの米要求の全体的な「知財強化」「海賊排除」「米国スタンダードの国際化」の3点。
アメリカの利権で日本の著作権法を変えられるのはどうかなとも思うけど、対中国政策としては有効なんじゃないかとも思う。
包括的な条約でルールを決めると、国内法では手出しができなくなって将来困る。という指摘が本書でされていたけど、だからこそ他国を縛るための強い武器とも言えるだろう。諸刃の刃だが。うーん、わかりやすい制度、統一された制度は全人類の望むところである。
今の気分としてはTPP反対だな。条約の危うさってのは考えたことがなかった。確かに軽々しく作ったり変えたりできない。
TPPの話も面白いが、本書ではここからもっと大きな話に広がっていく。
「ネットのルールは誰が決めるべきか」アメリカか?日本か?官僚か?国民か?アノニマスか?Googleか?
例えば、日本の政府が反国家的なネットの情報を消去するのは、ダメだと思う。情報操作や検閲は人間の大事なものを奪う気がする。
GoogleがGoogleに対する悪口を検索結果から排除するのはどうか?ダメな気がする。少なくとも嫌、やめてほしい。
しかし、例えばブログのコメント欄の書き込みを気に入らないからといって削除しても問題無いと思う。
何が違うのか、立場か?影響力か?いやいやそんなことはどうでもいいんだ。
もとい、ネット社会・情報社会において、情報の操作・遮断はものすごい影響力がある。
で、国家はもちろん、Googleなどのプラットフォーム会社もその情報操作を出来る立ち位置にいる。
すなわち、市民は、ネットのルールを決めることができない。ことが危機だと指摘する。
国家ならまだしも、プラットフォームが勝手なルールを決めると、市民はそれに従うしかない。
ネットで自由になったと思っていたら、それどころか知らない間に奴隷になっていた。
Googleは世界征服を成し遂げつつあるのかも。
面白い本だった。著作権のこれからとか考えたい人は必読の本。